オヤジです。
学生時代に青春を賭けたフルコンタクト空手
現役を退いて30年以上経ちました。
その後、違う道へと進み、今では空手とは違う武道を行っていますが、今の私にとって、その時の経験が、生きていく上で核となっていると言って過言ではありません。
当時の大先輩が今では、道場を構え、また、同級生も一流派を立ち上げ、毎年、地方のオープントーナメントの大会を開き、たくさんのこども達が選手として出場しています。
現役当時の私にとって、大会に出場することは、断トツの実力がなければ、できないもので、ある意味、今のこども達は、一つの目標設定として、とても恵まれていると思います。
そんな大会の裏方のお手伝いをさせていただいていますが、会場に足を運ぶたびに感動ばかりです。
組手の試合に感動
組手の試合では、小学校低学年は、男女混合のケースが多く、体重が倍、半分違うといった対戦もあります。
昔と違い、安全面もかなり配慮され、ヘッドギアーやサポーター等を装着して、痛み等はかなり軽減されています。
しかし、内心面での恐怖感は、とてつもなく大きなものだと思います。
私自身、現役当時、週2回あった組手では、前日から憂鬱な状態が続き、組手直前になると、恐怖感でその場から逃げ出したくなるような思いでした。
そして、結果は、毎回、先輩からの洗礼を浴びて、KOされていました。
身長が10センチ違えば、リーチの差は致命的で、体重が10キロ違えば、蹴り、パンチの重さが半端なく重たく、体格の違いだけで、すでに結果は明らかです。
こども達の世界でも、体重が倍半分も違えば、大人とこどもの差位あります。
今の、私で例えるとスーパーヘビー級のプロレスラーと対戦しているようなものです。
大会の初戦では、なるべく体格が同じような選手同士を対戦させるように設定されてはいますが、勝ち上がっていくと、体格差のある対戦が多くなります。
去年の決勝戦では、少しぽっちゃりした男の子と小柄な女の子が対戦しました。
その男の子の動きは少しゆっくり目ですが、体重が重たい分、もらえば相当のダメージになります。
そんな中、小柄な女の子は、現役当時の私でもできないような素早い蹴りで、ローキックやミドルキック、ハイキックを華麗にどんどん繰り出し、押され気味ではありましたが、互角に戦っていました。
最後には、男の子の前蹴りが女の子のボディーに入り、「うっ・・」と唸ってしまい、動きが止まり、結果は、男の子の優勝となりました。
この試合を観戦している最中、その女の子の頑張りにもう目がうるうるになって、泣きそうになる位でした。
型の試合でも感動
型の試合でも、こども達は、日ごろの練習の成果を発揮し、格好よく、また、ほほえましく演武を行っていました。
しかし、ひとりだけ違和感のある型を演武する男の子がいました。
同級生の道場に通っている男の子で、お兄ちゃんの影響を受けて習い始めた弟さんでした。
ただ、普通の子と違ったのは、目が全く見えない子だったのです。
目をつぶってまっすぐ歩くことすら普通はできません。
そんなハンディを持ちながらも、自分自身で空手を習うことを決め、お兄ちゃんと一緒に毎回練習に通っているそうです。
そのチャレンジ精神だけでも、目頭が熱くなってきます。
私自身、その男の子が型の試合に参加するだけでも、とても感動したわけですが、さらに後日談がありました。
後日、私の同級生が主催した大会で、その男の子が、ワンマッチだけでしたが、なんと、組手を行ったのです。
目が見えない状態で、組手を行う。
常識では考えることすらできません。想像の域を越えています。
その話を聞いた私は、思わず、涙が出ていました。
各流派の代表の方も、口々に「とても感動した。」と賞讃していたそうです。
こども達を褒めてあげてほしい
空手の大会に出場するだけでも、こども達にとっては、とてつもない恐怖心との戦いです。
空手の大会に足を運ぶ度に、私は、いつも、こども達から感動をもらっています。
参加した可愛い小さな選手達に、勝っても負けても、精いっぱい、愛情いっぱいで褒めてあげてほしいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました❗